ブラックベリー・ピッキングの後は、ふたつめの目的、待望のクラミング。貝採りです。釣りを始めた頃からズーッとこのクラミングってのを一度やってみたかったんだが、どこばれ簡単にロングアイランドではできないんです。レジデンスのパーミットが必要なんです。私、クイーンズですし。で、今回その夢を海の家の大家ミセス・ジャメインが「うちのすぐ先の海岸でやんなさい」と遂に夢を叶えてくれた。「道具はうちにあるわよ」ってーことで裸一貫で総勢6名が初挑戦した。のだが………。
引き潮に合わせてみんなで海岸に行ったら。
あれっ、日本での潮干狩りを想像していた面々は面をくらった。
あの懐かしの潮の引いた海辺がない。ない、ない、ない。ちょっとだけ引いている。でもちょっとだけ。
真っ赤なミニミニワンピースに上質の真っ白なコットンのシャツに素敵な麦わ帽のミセスジャメイン、「さぁ、みなさ〜ん、思う存分貝を採ってくださいな」とやさしく微笑む。「さぁ、みんな海に入って〜〜」って、言われましても、潮が……。
みんなでウジウジしていたら、その横を老人2人が海パン姿でゴンゴン海に入っていく。いちおう遠浅なのね。
6名中、5名は日本の潮干狩りをイメージしていたので水着を着ておらん。しかし、アメリカ式は、ある程度水の中に入ってそこで貝を探し当てるという方法らしい。しょうがない、パンツのまま入水。意外と気持ちいい。ぬれてしまうと童心に返るんだなコレが。
そしてまたまた日米の相違が。
かわいらしいスコップとシャベルと思いきや、で、でかい。海底の貝の気配を足の裏で探り、そこをこの鉄製ガンジキで掘り返すってーのがアメリカ式の貝採り。ものすごーい腕力がいる。みんなで交代でこの鬼ガンジキで底を掘る。
私の番がやってきた。初めての貝掘り開始。ぜんぜんあかん、さっぱり採れん。なんにも採れん。夢破れしかな。あきらめて洋服のまま泳ぎ始める。北島風平泳ぎでそのへんを一周してみた。ゴールドメダルより、今の私は貝が欲しい。
私の泳ぐ横で、がんがん貝を射止めているのは、このお嬢さん。ちっさい時から知っているが、こんな得意技があるとは、本人も気づいてなかった模様。次から次へと貝を掘り当てる。す、すごいぞ。彼女の今度の誕生日には、この鬼ガンジキを贈ろう。
なんだかんだと小一時間で、お嬢さんとその父親が2ダース分のリトルネッククラムを採った。お見事。
教訓、アメリカ式潮干狩りをなめんなよ。
でした。
あ〜、楽しかった、気がすんだ。