クリスマス。朝っぱらから魚屋の娘サンディーの電話で起こされた。彼女の久々のオフデーということで、わざわざ私を誘ってフラッシングでランチをしようと言うのだ。今年一番会った女性は彼女かもしれない。ほぼ毎日通った魚屋に彼女は毎日いた。「いったいいつが休みなの?」と言う問いに「休まないの、わたし、あんまり」。「あぁ、そう。アタシも毎日ごはん作ってるから休みなしみたいなもんよね。たまには二人でどっか行きたいね。」と私が言ってたことを覚えてたみたいだ。「クリスマスは、あんまりアタシには関係ない。まっ、正月の方がアタシには大事かな」とも言っていたので、電話をかけたと後で言っていた。
やっぱ、年頃の女の子よね。いつもは魚屋で魚にまみれて一生懸命働いているけど、たまーの休みのショッピングには、髪の毛もさらりと、流行りの洋服でばっちりきめて来た来た。その反面、私はいつも同じ髪型&かっこうで申し訳ない。
フラッシングへ。この街はクリスマス関係なし。いつもと同じ人混み、いや、いつも以上だな、今日は。レストランもどこもいっぱいだった。彼女のお薦めで図書館近くの東南アジア系の店に入った。ベトナム、中華、マレーシア料理がごッちゃ混ぜにある店だ。
彼女はベトナム麺「フォー (Pho)」、同じくベトナムの甘くマリネしたステーキ、親指サイズの揚げ春巻き「Cha Gio (チャーゾー)」を注文。よく食べるなぁ。
私は掲げられたメニューの一番上にあった「laksa」なるものが気になって、気になって。「何、コレッ」と言うと、「ウエイトレスに聞いてあげるから」と、中国語でウンヌンカンヌン。「マレーシアの麺でうまいって言ってる」というので、ほんじゃぁ、それに。
マレーシアではポピュラーな麺スープ「ラクサ(Laksa)」。サンスクリット語で「たくさん」っていう意味があるらしい。確かにこのスープ、いろんな具やスパイスがたくさん混ざりあっていたわね。ラクサは大きく分けると、華僑と現地のマレー民族が合体してできたニョニャ料理の「「ニョニャ・ラクサ(ココナッツミルクとカレーを使ったスープ麺)」と、鰹だし風味でタマリンドで酸味を出したペナン島の名物「ペナン・ラクサ」の2つがあり、今日食べたのは、辛くて酸っぱい「ペナン・ラクサ」だったみたいだ。麺は米でできたスパゲティーに似たもの。中国のやはり米でできた麺「米線(ミィシェン)」を使ってるのかしらん。正統には米でできた麺にタピオカ粉を練りこんだ「ラクサ麺」というのを使うらしいね。
味はというと、思ったより辛くなく、酸味が効いているので食べやすかったわね。このラクサっていう食べ物、いろいろ奥が深そうである。ラクサ狙いでマレーシアを旅行した人もいるらしい。最近、中華街には東南アジアの店が増えているから、いろんなラクサにまた出会えるに違いない。また一つ、楽しみが増えた。