◆釣り日記
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今回の釣りで、久しぶりに再会した方が、コビさん。コビさんは、バイキング・フリートの船でギャリーという仕事をしている。たぶん、ニューヨークの釣り船唯一の日本人スタッフだと思う。昔は、ヨットマン、そして映画人でもあり、カナダの監督と一緒に作った作品が、アカデミーのドキュメンタリー賞を受賞し、コビさんもあの晴れのステージに立ったという経験をお持ちの方です。 このコビさんの乗船している船が、モントークのバイキングフリートの船。コビさんは、冬場はタラ釣りに、夏場はフルークやストライプバス、そして2日から4日間ぐらい船中に宿泊し、まさに寝ても覚めても釣り釣り釣りっ!のオフショア遠征の船のスタッフとして働いている。大のタラ釣り好きで、タラの時期のコビさんは、何ものかが乗り移ったかのようにイキイキする。 6年前ぐらい前の真冬に、私は1人、毎週のようにモントークからのローカルの鱈を釣る船に乗り込み、コビさんや、回りのタラ大好きフィッシャーマンの人たちから、「タラ釣りの醍醐味」を教えてもらった。当時の私は、独身。なんでも好きなことが誰の遠慮もなくできるのが1人もんの強み、まぁ、アホのようにあっちやこっちやと釣りに行きまくっていた。一つの魚にはまると、一応自分の中で納得できるまで、しつこくやる方なので、モントークの鱈船通いもちょっと遠かったけど、毎週、仕事を終えたあと、夜中に車を飛ばして往復6時間の道程を、車中、大声で歌いながら通ったもんだ。 「あんたはキャスティングを覚えないとタラは釣れない」と、出航してすぐの零下の風吹きすさむ船の甲板に錘をつけただけの竿を持って立たされ、釣り場に着くまでの時間をキャスティングの練習に課された。ヘタクソな私の後ろには、コビさんを始め、メイト(船のアシスタント)の人たち、常連客が、とっかえひっかえ、寒いのに一緒につき合ってくれ、ああでもない、こうでもないと投げ方を教えてくれた。最初は、怖かった常連客の人たちも、あまりにもしつこく私が1人で船に乗るので、そのうち、しょうがないなといろいろ釣り方を教えてくれたり、食べ物をわけてくれたり、ビールを飲ませてくれたり、とてもよくしてくれた。そんなみんなの応援があってか、ある日私が鱈でプールを取ったことがあった。プールとは、船の上で有志による一番大きいな魚を釣ったやつが賞金をもらえる賭けだ。その時の額は450ドル。まぁ、こういうもんは、上手い下手よりも「運」があったかなかったみたいなもんなんだけど、その時のコビさんの喜びようは、私以上のものだったなぁ。この賞金で、私はタラ専用の竿と、憧れのオレンジ色のスキン(釣りの時に着るゴム製の作業着)を買った。今もそれは私の宝物である。 それから、結婚し、ちょっと釣りを遠ざかっていたので、なかなかコビさんに会える機会がなかったのだが、去年から旦那さんのすすめで「釣り再開」となり、やっとこさ、コビさんに会えた。 「まちこちゃん、まだ結婚続いてるの?」と出し抜けに。もうっ、アメリカ長い人の挨拶なんだから、コビさんは。「残念ながらまだ続いてるんですよ。みんな呆れます」そう言葉を返す私もアメリカ長い人の仲間入りかしらん。 募る話で、盛り上がり、久々のコビさんのタラ釣り哲学を聞かせてもらった。コビさんによると、「ずっと減り続けているタラは、昨年あたりから戻ってきている。タラはいる。」とのこと。その証拠に、今年に入って3月、4月は、記録的にモントーク沖で鱈が釣れている。上の写真はコビさんが釣ったデカ鱈。「すげぇ」の一言です。コビさんが今回私に薦めてくれた釣りが「タイルフィッシュ」。そう、甘鯛です。900フィートまで糸を下ろす釣りは私はまだやったことがない。それでころか最高300フィートぐらいまで。そんな深いところでで50ポンド級のお魚をどうやって釣れというのか。「釣れる」とコビさんは言う。ほんじゃぁ、ほんまに釣れるかどうか、試してやると密かに企んでいる。あぁあ、また私をその気にさせるんだから、コビさんは。
by machikogunji
| 2007-06-11 00:32
| NY釣り婆日記・魚料理
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