こんな素敵なケーキを、魚教室のお弟子さん「プクちゃん」からいただきました。ドイツのクリスマスケーキ「シュトーレン」です。ナッツやドライフルーツがたっぷり入ってます。
プクちゃんはうら若き乙女である一方、おいしいものに対してはおばさん以上に興味を持ち、そして食べると言う、相当の「くいしん坊」です。魚料理をぜひ自分のものにして食べたいとうちにやってきました。彼女はこの教室を始めた最初から来てくれてるんですが、毎回、魚料理を教えると、100%おうちで復習をし食べてます。魚料理には復習は必須です。そうそうレシピ通りにはいかないですから。
みるみる彼女は「魚」にはまりました。最初は「お魚は食べるのは好きだけど、おろしたりするのは超苦手で倒れるかもしれない」と、本気で冷や汗をかきながら青い顔して言ってましたが、今じゃぁ、倒れるどころか、ポーンと丸ごとの魚を出しても、きれいにバシバシおろすことができるようになりました。
週に1回は「チャイタタウンで売ってるポーギーを刺身にしていいか」とか「グリーンマーケットの魚屋のおじさんが生で食べられると言ったけど信じてよいのか」とかの電話やメイルがやってきます。もうある程度の目利きはできるようになっているので、私は冷たく「さぁね。じゃぁ、少し食べてみて自分で判断してみなよ。」と鬼のように突き放してますが、彼女のように自分で歩いて魚を買い求め、おろしてみて、味見してみることを実践してくれているのが、本当はものすごくうれしいです。私もそうやってNYの魚の鮮度を覚えていきました。夏になったらぜひ釣りにも連れて行き、超フレッシュな魚がどういうもんか見させなきゃと思ってます。
そんな、かわいいお弟子さんの彼女が「今年はお世話になりました。魚があれだけ怖かったのに今は食生活も変わる程魚料理に興味を持つ事ができました」と、この手作りケーキと一緒に何よりもうれしい言葉をくれました。「クリスマスまで食べないでね」と念を押されてましたが、もらったその日の夜にすでに約束を破りつまみ食いをしてしまったのだよ、私は。ごめん。
あと少しでクリスマスです。ケーキはまだ半分残ってますが、早く記念撮影をしとかないと、へたするとクリスマス当日にはすでになくなってしまってるかもしれないので、本日朝に写真を撮りました。
ありがとうと思いを込めて作ってくれたシュトレーンは、何事にも返られない、おいしい味がしました。もしも、私が彼女のお母さんだったら「娘の成長ぶりとやさしい言葉」にその場に泣き崩れ、その後は号泣もんになったにちがいありません。
愛のこもった料理には、どんな有名なシェフにも、どんな高価なレストランの食事にも負けない「力」があります。だから家庭料理はおいしいのです。愛という調味料に勝るものはありません。
プクちゃん、とてもおいしいです、あなたの手作りのケーキ。と1人ごとを言いながら、また1ピース食べちゃいましたが。
彼女はもううちの料理教室をいつでも卒業してもいいと思ってます。私の教えたかった「思いを込めた家庭料理がどんなものであるのか」を、もう充分理解できたみたいですから。