ポクロフスキー教会にまた行ってきた。
初回訪問は3年前の夏。「次に行くならぜひ雪景色の時」と思っていたのだが、今回のペテルブルグでの滞在の今日までは、まだ雪という雪も最初の方だけで、後は、暖冬でこれといった雪の日はなし、狙ったチャンスが来なかった。「このままだともう再訪はないかなぁ……」と半分諦めていたんだが、友達1号が有名観光名所を差し置いて、熱烈に「絶対絶対行ってみたい」ということになり、その翌日の今日、じゃぁ行こうと、地下鉄とローカルバスを乗り継ぎ約1時間。フィンランドとの国境「カレリア地方」の世界遺産「キジ島」までも行かないで、同じ木造建築教会がペテルブルグ近郊で気軽に見られるのはうれしいもんだ。
クギ1本使わっていないこのロシアの昔の建築用法の設計図とか文献は残っておらず、ここでは後世にこの建物を残していくために、研究者らが設計図を作りつつ再建・修復している。分解しあたけど元の形に戻せないなんてことはあってはならない訳で、莫大な時間をかけて丁寧に丁寧に研究が続いている。聖堂の横には作業場があり、建物から外した小さなドームの修復をしていた。
みんなが「玉ねぎ玉ねぎ」と呼ぶロシア正教教会の丸い屋根「ドーム」……これは「玉ねぎ」じゃなく、もちろん玉ねぎのはずがなく、じゃぁ何なのって思っていたのだが解決。「火焔(火炎/かえん)」、すなわち『物が燃えるときの、光や熱を出している部分「炎」』を表しているんだそうだ。そうか、今日から「玉葱」とか「ハーシーズのキスチョコ」と呼ぶのはやめよう。
あっ、雪が降ってきた、雪だ。願いが叶いました。雪に佇むこの教会を見ることができた。白樺の林、向こうに見える凍り付いたネバ川、雪空。あぁ来てよかったなぁ。10年後とかに、またここに来てみたいなぁとふっと思った。
この日のここへの訪問者は私達2人。今も現役で使われている聖堂の中にベールを被って黒いスカートを巻いて入り、お清めのお水を取り、聖歌が静かに流れる中で、天井を見上げる。なんか宗教を通り越した「安らぎ」というものを感じる不思議感覚を体感した。
帰りのバスの中から、凍るネバ川を見る。窓が汚過ぎてあんまり見えないなぁ。あっ、アイスフィッシングやってる! 親爺の傍らに釣った魚が転がってた。
バスは、雪のキャベツ畑を横目に、猛スピードでモロノーソフスカヤ駅へと突っ走った。
★ポクロフスキー教会
バス停「ネフスキー・レソ・パルク」だが、ローカルの小さなバス「マルトルーシュカ」なので、よーく見てないと停まらないので、左手に教会が見えて来たら下ろしてもらうように運転手に言った方がいい。
◎地下鉄3番線「ロモノーソフスカヤ駅」下車、駅前の乗合バス「K-476(現時点で1人31ルーブル/直接運転手に先払い)」で15分ぐらい、「「ネフスキー・レソ・パルク」下車、目の前。(女性は聖堂内に入る時に必要な頭を隠すスカーフとズボンとかミニスカートはダメなので巻きスカートの貸し出し有り)、年中開館、冬場は朝9時から5時ぐらいまで。入場料無料。*上り下りのバス停の位置がけっこうずれているので注意。