アメリカで言うチリアン・シーバスって魚は、日本では銀ムツ。メロ、マゼランアイナメとも言うらしいけど、アイナメにはほど遠い気がする、あの身の感じは。っと私は思うんですが。
輪切りの切り身で売られていて、その断面からも分かるようにかなりでかい魚だ。体長2メートル、体重100キロってのもいるらしい。成魚になるのに600年ぐらいかかるって、あるちゃんとしたサイトに出てたけど本当かなあ。そこには「619年かかる」と細かい数字で出てました。
白身で脂が乗って柔らかいこのチリアン・シーバス、ニューヨークのレストランではとっても人気があったんだけど、4年ぐらい前に、シェフの一部の人達が「この魚は取り過ぎで急激に減少しちゃって絶滅寸前だから、5年間は僕らのレストランでは使いません」と宣言したので、ぐっと食べる機会は減りました。5年使うのやめたぐらいで、成魚になるのに600年もかかるっていうこの魚が増えるんだろうか? それと来年はあれから5年目なんだけど、シェフ達どうするんだろうかねぇ。また使うのかねぇ。
アメリカは魚の数とかサイズにずいぶん制限がある国なので、国民にも魚を守ろうっていう意識がしっかり根付いているような気がする。でも、私的にはイルカや鯨に関してはちょっと過剰気味だと思うんですが、どうでしょう。
さて、今日のうちの夕飯は、このチリアン・シーバスの冷凍したものがチャイナタウンの「徳昌」スーパーで売ってたから、久しぶりに買って「煮付け」にしました。市場には出てるわけで、別に密漁で捕った魚食べるんじゃないんだから、ビクビクすることはないよね。ねっ。ねっ。
魚は強めの火で一気に煮て、照りを出します。うちは、醤油と砂糖とみりんの他に梅干し1個(今日は量が少ないので半分だけ)を入れます。って前にも「焼き鳥」の時に書いたっけ。甘辛しょうゆダレを作る時は、必ず梅干しを入れます。タレの甘味がしつこくなくなります。つけ合わせは茄子とヒユナを別の薄い出汁で炊いたものです。
と、ここまではよかったが、食べてみるとすごく塩辛い。味付けに塩は入れてないのにすごく塩辛いんです。なぜ????
旦那いわく「濃い口と薄口の醤油を間違えたんじゃないの」(醤油の薄口っていうのは色がうすいだけで、味は濃い口よりも塩気が多い)と疑いの目。冷蔵庫を確認すると、まちがってませんでした。じゃあ、なんでよ???? 煮汁が辛すぎた? 鍋に残った煮汁を確認。辛くない、むしろ甘いぐらいだ。考えられない、わからな〜い!
ってことは、この魚、買った時点で塩漬けにしてたんだ!
まさか、塩鮭じゃあるまいし、しかも甘塩って感じじゃなくしっかり塩の味。そりゃないだろう。数回、ここで同じもの買ったことあるけど、こんなことなかったよ。塩の味がしたのは初めてだよ。チャイニーズの人は、この魚を蒸したり、鍋に入れたりするから、この塩気はあんまり気にならないだろうけど、「煮付け」にゃやばいよ。
結局、うちらの見解では、「規制がうるさくなったんで、捕る量が少ないから捕った魚を長持ちさせるため、冷凍する時に塩をかなりぶっかけたに違いない。魚屋の戦略だ!」ってとこで納まりました。
で、とってもしょっぱいチリアンシーバスの煮付けだったわけよ。市場に出回るのが少ないものに手を出したのが失敗のもと。もう当分「徳昌」では野菜や肉だけの買い物にしときます。