この建物見たかったんです。ロシア、金きらきんばっかじゃないです。釘1本も使ってない木造建築教会です。
サンクトペテルブルグから一晩寝台列車に乗って、船でもう1時間行くと、キジ島っていう島があって、そこに同じ教会があり、これはその地域が世界遺産になってますが、ちょっと遠い。そしたら、ペテルブルグから1時間ちょっとの郊外に、同じ木造建築の教会があるって聞いてたので、そちらに足を運ぶことにしたんです。あんまり知られてないのはなんででしょう。同じアパートの住人にも聞いてみましたが知らんかった。ここは、地下鉄のネフスキー駅から3号線に乗って4つ目のロモノーソフスカヤ駅で下り、駅前に並ぶ乗り合いバス・マルシュルートカの476番で「ネフスキー・レソパーク」で下りると、目の前の森の奥にこの教会「ポクロフスキー聖堂」の屋根が見えます。普通は車で来るところですね、ここは。しかし、車ないので地下鉄とバスということになったわけ。ここは公園になってるようで、聖堂の他に同じ木造建築の家や鐘楼があります。入場無料。
あぁ。じっくりとこの建物を見ることができました。私達2人の他、観光客2,3組しかいないし、聖堂の中や外で、学生さんが絵を描いてたぐらい。実に静かで、趣のある、隠れたスポットだと思う。
キジ島の建物は「そのままのものを修復・保存しようと」、こちらのペテルブルグの建物は「建築技術を再現しよう」という方向性の違いがあるんだそうです。これは一度消えかけた技術を後世に残すために伝承してかなきゃいけない、どちらも大切なことですよね。しかし、18世紀に建てられたこの複雑な木造建築の技法は、残された記録もなく、まだ判明されてないことが多く、どのように修復していけばよいのか今も専門家達が模索を続けているそうです。
途中でにわか雨が振ってきて、ひとつ驚いたことがあった。雨が屋根から流れ落ち、それを受け止める雨どいも木だったってこと。
この教会の1階部分は、現在もロシア正教の聖堂として使われてるのですが、中に入れてくれます。入る時には、入り口に置いてあるスカーフで頭を隠し、黒い布を腰に巻いて聖堂へ入るの。あくまでも厳粛です。
一棟の建物の横では、修復の作業が行われてます。丸太を切ってました。
この猫がずーっと私に着いてきた。ここで飼ってるみたいで、建物の木の色と一緒だったよ。
感動しました、ここ。