今回のモスクワ旅の醍醐味がやってきた。モスクワー=サンクトペテルブルグ間の列車の旅だ。旅っつーても、早朝にモスクワ出て、その日の深夜の夜行で翌日早朝に帰るってもんなんですけど。ホテル代浮かして、その分、鉄道に金かけたいっていう企てです。実はあたし、鉄道大好きなんです。飛行機よりもぜんぜん好きなんです。
今回は往復ロシアの鉄道を利用して、旦那と一緒にちょっと風変わりな旅。お互いに超楽しみにしてました。
内容は、行きはロシアで一番早い「サプサン号(はやぶさ号)」に乗ってビール飲もうよっての。サンクトペテルブルグではエルミタージュ美術館は素通りにして、風呂好きとしては日本の温泉や韓国サウナで留まらず、ロシアンサウナ「バーニャ」デビューを果たし、湯上りには、こんだけ世界的な寿司ブームに便乗して、その辺のの和食屋に飛び込んで酒と寿司を食べようじゃないのってのと、帰りはいかにもロシアっぽい夜中発の寝台列車の1等で酒を飲み、爆睡してモスクワに帰って来ようっていうの。いつまでたってもふざけた夫婦でございます、ケッケッケッ。
で、時差ぼけをうまく利用して、朝4時起き。うちを5時過ぎに出発、地下鉄の始発でコムソモーリスカヤ駅へ向かう。ここから地下を抜けてサンクト方面への列車の始着駅レニングラード駅に。
サンドイッチとビールを買い込み、はい、7番ホームに。
出た~~、なんかウルトラマン的いでたちのサプサン号がうちらを待ってた。ロシア一の超特急「はやぶさ」ってやつね。250キロまで出るそうです(その日は220止まりだったけど)。
なんかモダンな列車です。客も品がいいな。さっき駅の食堂で見かけた朝っぱらからウォッカ一気飲みの骨太な感じの人はぜんぜんいない。ちょっとみんなすかしてます。まっ、そんなことはどうでもよろし。
売り子のねーちゃんはまるで国際線のスチュワーデスって感じ。まっ、そんなこともどうでもよろし。
旦那ととりあえず、早朝ビールで乾杯だっ。おぉ~~、朝でもビールはうまいぞ。
駅の売店で買っておいたサンドイッチがうちらの朝食。ハムのはさみ方に注意。ここの売店のサンドイッチのハムは全部こういう風に折曲がってはさんであるんですけど、これってモスクワ流なのかしらん。キュート。
外の景色は真っ暗で見せません。なんせ、ここは朝の9時過ぎにならないと夜が明けないのよね。そのうち眠くなり爆睡。どこでもよく寝られるなぁ、うちらは。あらよって間に「あと10分でサンクトに到着いたします。お忘れ物ないように。それではまたのおいでをお待ちしております」放送で目が覚める。あっという間の3時間半だった。乗り心地よし。客・乗務員品良し、エグゼクティブ系の列車だな。トイレきれい。英語ばりばり通じる。しかし、面白みってのはないかな。無機質な感じね。でもよく眠れたからいっか。ところが、感動したのはホームに降りてからだった。
列車のドアが開くと同時にホームの天井の照明にパッと黄金色の照明が付き、クラシックなロシアのマーチが鳴り、乗客を出迎えてくれるという演出。しびれるね、こういうの、大好き。こんな音楽付きの送迎ってのは、子供のころの本州四国連絡船が出港の時に、国鉄楽団が蛍の光を演奏して、乗客が色とりどりのテープを見送りの人に船から投げて別れをギンギンに惜しむっていう時以来だったような気がする。この国にはこういう情緒が残ってるんだね。