「縁」あって買った銅製の卵焼き器で初めての卵焼きを作った。いやぁ、違うね、銅ってのは。うわっと卵が焼ける! 「卵焼きは高温で一気に焼き上げる」ってのは、この銅製を使って初めて言えることってのがよくわかった。テフロンじゃそうはいかない。
この「縁あって」ってーのは、この卵焼き器、3年前に韓国スーパーの地下にひっそりとあった雑貨コーナーの片隅の一番奥にず〜っとぶら下げられていたんです。そのスーパーに寄ると、必ずこの「捨て猫」的卵焼き器がまだあるか売れたか見てました。日本製でとってもいい素材だってのは手に持った時にわかってたんですが、なぜか「また今度来た時に買おう」と「ご縁」を大事にしてたんですが、あまりにもいつもあるので「いつでもいいかっ」と。ところがです。1年ぐらい前に、その地下の地味な雑貨コーナーがなくなり、あの卵焼き器は、1階のちゃんとした電気製品と食器を売る店に、他のフライパンと一緒に並んで引っ越しをしたんです。ちょっとあせりました。それが1年前。それから一ヶ月に一度はそこのスーパーに寄っては、卵焼き器の消息を確認してました。そして、先日、ついに卵焼器が一つ、全面的に前に並べられているのを見て、「あぁ、ついに買う時が来たんだな。コイツをよそ様の台所に吊るされるわけにはいくまい。ずっと私が見守ってきたんですもん」と訳わからなく悟り、ついに、ついに購入したわけです。38ドル。日本に帰った時に一ついいのを築地あたりで買おうと思っていたのですがねぇ、買っちゃいましたニューヨークで。長かったなぁ、3年間。今、コイツはうちの台所のいつも見える場所にうれしそうにぶら下がってます。