朝3時頃、烏賊が水面に見えるにもかかわらず釣れず、でも、なんかドカンと海底に数回感じることがあったので、「こりゃひょっとして鮃か」と、竿を変えて挑んでいたら、ものすごい当たり。「うっそ〜っ、うそうそ〜っ」と誰もいない桟橋で大声を張り上げつつ慎重に糸を巻いていくと、だんだん水面に浮かび上がってくる茶色い物体。やっぱり6、7パウンド級の鮃でした。
ネットがない。まさか鮃が釣れるとは思ってもみなかったので、ネットを持って来ておらず、1m半の水面から桟橋にゴボウ抜きは何がなんでも8パウンドの糸じゃどうしようもないんだけど、やるしかないでしょ。案の定、プチンと切れてしまい、その鮃は烏賊丸ごとを口に含み針も付いたままのっしりのっしりと海の中に去って行った。あさっての金曜日の鮃釣り解禁日にグリーンポートの辺りで黄色い小さなジグを飲み込んだ鮃を釣った方、すみやかに私に半分刺身を食べさせてください。
ってなことで、それでも今年初のどでかい鮃の顔を拝めたことで、朝っぱらからご機嫌上々だったので、釣り場の周りを散歩した。
夜が明け始めたと同時に海は霧にすっぽり覆われた。幻想的な風景だったなぁ。
今朝のお月さん。
烏賊はこの古い杭の周りに卵を産み付けに来るのだよ。まだグリーンポートには大きな群れは入ってきていませんでした。明日か、あさってか、明々後日か。
私の鮃騒動で向こう岸から駆けつけて来た少年たち3人。「写真撮りそびれちゃったよ」と言うと、「じゃぁ、僕がさっきの鮃の格好をしてあげるよ」とポーズしてくれた。「釣りが好きか」と尋ねたら「大好きなんだけど釣れない」と言うので、ガスランタンの位置を彼らの方に移動してやり、鮃のポイントを教え、仕掛けを作ってやった。そしたらえらい丁寧にお礼を言われて困った。私もこうして釣り場でいろんな人に教えてもらったので、その恩返し。
グリーンポートの駅。朝5時の始発の電車の汽笛が聞こえたら、釣りを終えるってーのが私の中のここでのルールにしている。そうしてないと釣れても釣れなくてもやめられないのだ。
ここは電車の駅とシェルターアイランド行きのフェリー乗り場が隣接している。その横に最近新しくできた海沿いのボードウォークに埋めこめられたLEDの青い光を辿って行くと、ミッチェルパークという公園に続く。マンハッタンに事務所を置く新鋭の建築事務所「SHoP」がデザインしたモダンな公園なんだけど、これができたばっかりにグリーンポートの湾の潮の流れが変わってしまい、沖から入ってくる烏賊が激減してしまったのはうそじゃない。