うちのタマ(長男猫)が、一年で一番つらい日がやって来た。
彼は花火の音がものすーぐ苦手で、毎年失神寸前までビビりまくる。ここ数年、独立記念日の夜は彼と彼の弟ミーをうちにほっぽらかしにして夫婦で近所の友人の家にご飯を食べに行っていた。イーストリバーの花火が打ち上げられ始めたら、ちょっと心配になり、私だけ途中で帰って来たら、目はろんぱり、毛はぐっしょりと冷や汗で湿っていたりした。
今年はそんなタマが不憫で、どこにも行かずにずっと傍に付いていた。それでも、表で花火の音がし始めると、気もそぞろ、ぐっと目をまん丸に見開き、あっちに行ったりこっちに来たりとぜんぜん落ち着かない。「タマちゃん、だいじょーぶだから。お母さんもお父さんもミーちゃんもここにいるから」。すると私の横にべたっと摺り寄って来て、腕を必要以上に舐め回した。大好物のマグロをあげても咽を通らないみたいで食べない。
そのうち、花火の音が納まった。私にしがみついていた体をやっとこさ離し、窓辺に行ってもう音がしないのを確認したら、お腹が空いていたことに気が付いたらしく、エサのお皿までへこへこと歩いていった。まだ足取りがなんかヘンだが。まずは水をたっぷり飲み、それから夕飯のマグロを食べ始めた。もう11時。
ミーは花火がぜんぜん怖くない。けろっとして、とっととエサを食べ、ソファーでゴロリと体を伸ばしきってテレビを見ながらうたた寝をしている。
2匹は兄弟なんだけど、なんでこうも違うんだろう。
今年はタマにつき合ったおかげで、一幕も花火を見ることはなかった。まぁ、19回目の独立記念日、1回ぐらい花火を見ない年があってもよかろう。
今晩は、花火みたいな冷やし中華を作った。
うちの花火だ。
タマが、「ハムちょーだい」とねだるので、たんまりあげた。
夜中の12時。タマちゃん、床でいびきをかいて寝ている。
おつかれさまでした。