どんなにお洒落な店ができようとも、私にとって14丁目の「ミートパッキング・ディストリクト」は、あくまでも「肉の卸し市場」です。ずっとそうであってほしい。フルトン魚市場のように消えないでほしい。
牛肉に限らず、あらゆる肉がここにはある。
今晩、大事なお客さんが来るため、朝、夫婦で肉屋に行った。品定めは旦那だ。無骨な感じのイタリア人の親爺と、うちの親爺がなにか話し込んでいた。ガッチリと閉ざされた冷蔵室のドアから、これまた腕っぷしの強そうな親爺が品物を出してきた。うちの旦那が「違う」と言う。最初の親爺が品物を見て、強面の親爺に「もう一度探して来い」と指示。キャーッ、よっ、グンジさんっ、負けてません、ニッポンイチッ!
ニューヨーク産ハドソンバレーの2パウンドのフォアグラです。今晩のごちそうです。