うちの台所、いきなりタパスバーに変身。昨日わざわざチャイナタウンの帰りにフラットアイアンのスパニッシュのお店に立ち寄ったのも今日のため。料理気分を盛り上げるためだったんです。みんなでサングリアを仕込み、大ダコを茹で、ガーリックを炒め、マッセルを蒸し、タパスバーの方は準備完了。
3時に、飛び込みの主婦2名(条件は酒呑みであることと自慢の酒持参)を加えて、台所のテーブルを追い出して、フラメンコ・ステージを作る。本日の踊子はフラ子さんとメン子さん。芸歴10年と3年のコンビ。舞台用衣装に身を包み、つけまつげまで付けて、本気で踊り出した。アストリアの住宅街に突如大ボリュームで鳴り響く「セビジャーナス」。曲のイントロと共に2人の手の中のパリージョが小刻みに鳴り始め、ばっちり最初のポーズが決まったぁ。では、いきます。「フラ子とメン子のセビジャーナス」。
ウォォ〜、「ナメんなよ、主婦を」という声が聞こえてきそうな勢いで、2人ぴったり息の合った激しい踊りが展開される。こりゃかなり踊り込んでるね。シロウトの域、超えてます。ただならぬ色気と殺気を感じ、観客4名唖然。すげぇ迫力。この前の歌舞伎・法界坊の勘三郎を上回る大立ち回りです。もう、踊る踊る! 何かにとりつかれたように踊ってます。「オーレ、中村屋っ」と思わず叫んでしまいましたっ。自家製サングリアがきつかったせいか、踊子さんたち、どんどんボルテージ上がってきました。スカートの裾さばきもシャッ、シャシャシャッ。そして宙を舞う。手拍子にも熱が入ります。食器棚揺れてます。猫びびってます。窓から人が覗いてます。タコいい具合に茹だってます。…………そうね、40分ぐらい踊りまくったわね。しっかし、かっこいいんです、彼等。拍手喝采で踊り終えた後のビール、さぞおいしかったことでしょう。「納涼フラメンコ」、最高でした。