7月の「海の家料理教室」は、鮃のお寿司を2種。木枠に入れてギュッギュの「バッテラ」と笹の葉に巻いた香り爽やかな「笹の葉寿司」をみんなに体験してもらうことにした。NYに住む日本人にとって「バッテラ」はけっこう人気のお寿司。大人も子供も、男性も女性も関西はもちろん、関東の人も、北海道の人も、みんな大好きなようだ。ニューヨークには鯖もいいのがあるし、作る気にさえなれば、いろんな押し寿司ができる。今まで私が作ったのは、「鯖」「バターフィッシュ」「スモークサーモン」「鮭」「うなぎ」「鯛」、そして「鮃」。この中で一番上品な味にあるのは、鮃かな。最近、バッテラの木枠は、ディーン&デルーカやウイリアムソノマにも売ってるので、わざわざ日本から買ってくる手間もなくなった。少しお高いが、一つ持ってるとすいぶん役に立ち、元が取れるってもんだ。
ご飯3合で、バッテラ4本に笹寿司10個ぐらいができる。魚は20インチぐらいの鮃が1尾あれば、寿司の他に刺身もとれる。バッテラ用の鮃は、薄切りにして塩を少しパラパラして昆布〆にしたものを酢でもう一度軽く〆てます。ちょっと横に今が旬のさくらんぼを、少しシロップで煮て冷やした「日本の缶詰風さくらんぼ」を添えた。こちらのさくらんぼは日本の缶詰のようなサラッとしたものはなく、全部ヘビーシロップ漬けの砂糖菓子のようなもの。色も着色のド赤とド緑。自分で作るしかない。
鮃をもう一品。葛を付けてさっとお湯に通し、氷水で冷やした鮃に2種類の酢味噌(辛子とバジル)をかけてみた。ツルリと咽越しよく、夏らしい感じになった。緑の豆は茹で空豆に甘酢で味をうっすらと付けたもの。
「ホーランド・エッグプラント」と呼ばれる種の少ない茄子とイエローペッパー(黄ピーマン)は丸ごと表面コゲコゲにローストし、丁寧に焦げた皮を取り除き、白酢で和えた「夏野菜の白酢和え」。普通の白あえよりも酢が効いたパキッとした味が決め手かな。水気をすべてから取り払っているので、野菜の甘味が充分に活きてくる一品です。
韓国の梅酒(あんまり甘くなくさらっとしていておいしい)を使った一品。具は桃と梅の実と鮃のエンガワ。冷やしてちょっとだけ出すと、かっちょいい。
今回はお醤油を付けて食べるものはなし。全部にそれぞれの味をつけてます。暑い日の、ちょっと豪華なランチってところでしょうかね。食前酒に、料理に使った韓国の梅酒をよーく冷やして一口飲むと、もっと料理がおいしくなるよ。