かなり冷え込んできた今日の夕暮れ時。我が町の地上にある地下鉄ホームで電車を待つのは辛い。それから向かった中華街は、野菜も凍るほどの寒さだった。仕方なくどの店も早終いをしている。露天のあたたかい豆腐花を売るおばさんだけが元気に列をさばいていた。
わざわざ買いに来た大根が今日はどこにもない。困った。寒空の中、探しまくってやっと見つけ、牡蠣を買って家路を急ぐ。今晩は「牡蠣鍋」、大根のたっぷり入ったお鍋だ。
前菜に、醤油とみりんで煎った、さいまき海老と、パクチョイの胡麻おひたし。
買い物で体が冷えきったのをいい理由に、熱燗を呑みながら鍋の用意をする。ゆる火でゆっくり大根を煮込んで、だしに味を染み込ませる。そのうち旦那が帰ってきて、そこで、豆腐と牡蠣を入れて、お風呂から出るのを見計らって食卓に出す。一升瓶も出す。
2人でフーフー食べる。お酒を飲んでは、食べ、また飲んで。あいかわらずよく飲む夫婦だ。我ながらあきれる。「丸ごと柚子があったな」「ごはんはあるか」「ネギはどこ」と旦那が何か企んでいる様子。どんどん企んでください。
できたのは、鍋の残りで「柚子あん仕立ての雑炊」。体の芯まであったまった。