アストリアにはギリシャ人に混じってクロアチ人がたくさん住んでいます。街角にあるカフェ、てっきりギリシャ人経営かと思っていたら、ワールドカップが始まって、意外にクロアチアの赤と白のチェックの旗を掲げている店が多く「おぉ、そうだったのか」と今頃になってびっくりしてます。この機会に1回そのカフェやバーに行ってサッカー観戦をみんなに混じってしようと思ってたんだけど、さすが日本と対戦した時は、行っていいものかどうか引いてしまいましたわ。おっちゃん方、すごく真剣に応援してるので、ひやかすなんてできませんよね、さすがに。
今晩のメインディッシュは、クロアチア系の肉屋さんでショートリブを久々に買っての煮込みです。オーソブッコにしようかと思ってたんですが、デカイのしかなく、しかも骨は固くて切れないから丸ごとじゃないと売らないと言われてあきらめました。オーソブッコってあんなに巨大なんだ。作る時は、まず鍋を買わないとできないよ、あれじゃぁ。さて、煮込みなんですが、何で煮込んだかというと、この界隈のマーケットならどこにでも売っている「アイバル(Ajvar)」という、赤パプリカがベースで、それにナスとトマトが入っているペースト、これで煮込みました。メイド・イン・クロアチアです。見た目はイタリアのトマトペーストのようですが、色は赤ではなくオレンジ。チリペッパーの入り具合で、辛口とマイルドがあります。ヨーロッパ各地、中近東あたりでも、呼び名は違ってもこのパプリカペーストは幅広く使われているようです。トマトペーストが直接的で情熱あふれる味ならば、パプリカペーストはぐっとまろやかで上品な味ってとこかな。普通チーズにかけたり、アペタイザーなんかによく使われるみたいだけど、ここは思いきって煮込みに使ってみた次第です。肉は、前もってガーリックと玉葱をしっかり炒めた後に焼き色がつくまで焼いた後、赤ワインと水、アイバルを加えて、鍋でゆっくり3時間ぐらい煮込みます。色の割りには味が思ったより弱かったので、トマトケチャップを少々足しました。そして隠し味に醤油も入れたら、味がぐっとしまって落ち着いた。
サイドには、これも久々の登場、ワイルドライスを添えました。これはライスと言ってもお米ではなく雑穀です。鍋で炊くといつも堅くなって失敗するので、炊飯器で水を多めにして顆粒コンソメを加えて炊きました。成功です、柔らかくできました。
今日の野菜は、チンゲンサイのコンソメ煮です。今日は中華っぽくせず、ガーリックも入れずに炒めた後に煮ました。ちょっとミリンを入れて、メインのお肉が強い味なので、やさしい味に仕上げました。