母と早朝、高速バスで神戸の兵庫県立美術館へ。母の尊敬する画家「堀文子」の展覧会最終日。昨日弟の運転で行くはずだったのだが、急用で行けなくなり、さてどうしよかと母に問うと「私、このところ朝散歩で調子いいから行ける」というので、それならば「最高のヘルパー付き(アタシです)」だから何とかなるかということで、行ってきた。
朝6時過ぎのバスに乗ると、9時前には三宮に到着。そこからタクシーで10分ぐらいで美術館に到着。
開館前に木陰で画家の経歴をスマホでチェックする81歳のおばーさん。やるなぁ。教えるときちんと覚えてくれて、今ではいろいろできるようになった。
素晴らしい展覧会だった。今回の展覧会のタイトル「一所不住・旅」って言葉が、なんか共感できた。住む場所が違うごとにそれだけの「感動」があったもんなぁ。そういう感動を彼女は97年間、絵という形で記録してきたんだそうだ。
30代、40代、50代、60代、70代、80代、90代現在に作品を分けて展示していたんだが、母と一緒にすごいなと思ったのは80代の作品群。これを母に見てもらいたかったので、ここまで来たのよね実は。
私達の感想としてはこの80代の絵が一番充実して輝いて見えた。
たぶん、私が「母にそうであってほしい」と思い、母も「そうしたい」と願っているからだろう。
なかなか「絵」からこんな「希望」を見いだす事はできないもんだ。これまで、いろいろな展覧会や美術館に行った。しかし、今回が世界各国の美術館の「絵」の中で一番そういう意味では良かったのではなかろうか。堀文子さんの絵と生き方が、私達しがない母娘に大きな「希望」をくれたわけだ。母と一緒に来てよかった。
夕方、無事高松に戻り、駅には弟がこの「無謀な母娘の思いつき旅行」を心配してバス停の前で待っていてくれた。バスから降りるなり母は弟に「あ〜〜〜〜〜〜〜楽しかった。いい展覧会だっら〜〜〜」と嬉しそうに言っていた。
さぁてと、ここから私の仕事はまだあるわけで、晩ごはんの準備、片付けがある。今晩は「母が神戸に行って楽しかったことを語る会」を家族でやることになるわけだ。足は少々悪いが、口は達者な母なのでこれがよう喋る。……疲れてないのだろうか………よく喋る。
充実した楽しい一日だった。