夜釣り。100マイルほど車で走り、釣り場に着いたのは午前3時。明け方までの2時間ちょっとをいつもの釣り場で過ごす。
初めて釣りをする友達。彼女も忙しくずっと会ってなかったので、山ほどある世間話を車中と釣りをしながらすることに。ってどんな2人や。まっ、いいの。邪魔されるものもなし、静かやし、お酒も入らないし。
ロングアイランドの東の港町グリーンポート。いつもの桟橋です。
もう夜はかなり涼しい。ジャケットなしでは寒い。
笑けたのが、今日の状況。明け方の始発列車の汽笛を聞く/「遠くで汽笛を聞きながら」、
満点の星を見上げあれって「昴」?、なんやこれって「アリス」かよ。
とか言いながら、明け方5時前、何も起こらなかった竿に大きなアクションが。
まず、ストライプドバスが友達の竿に。「ぎゃ〜〜」のみ。夜空に響く絶叫。
停泊してる豪華クルーザーの皆さん、お騒がせしました、
岸壁の貧乏ったらしい釣り人2人のドタバタで目を覚まさせて。だって女2人やろ。師匠の形見の網が長くそして重過ぎて、魚を救い上げる時、いつも大騒ぎになるの。
「ほれっ、そこ、頭から入れてっ!ほれっ、これっ、トリャ〜〜〜」。
竿はイカ用の細いやつやし、それに小型にしてもストライプドバス、つまりスズキですな、あれが掛かるとは知りまくるわけ。やっと岸に寄せてもまだ抵抗しよる。これを網に入れないと、すっぱ抜きでは細い10パウンドの糸切れてしまうし、なんとか揚げようと大騒ぎになってしまうわけ。いつか海に落ちるの覚悟でおばさん2人で必死。眠気が一気にぶっ飛び、血圧旧上昇。
で、無事釣り上げることができた。20インチ(キーパー28インチ)でさよならをする。
一言、「今度、親連れて来いよ」。
初めて釣りに来ていきなりストライプ釣ったってか引っ掛けたおばさん、大盛り上がり。よかったやないですか。
と、まだ落ち着く暇なく、次は私の竿がグニュっと曲がる。
出たよ、久々の大きな鮃のあたり。間違いなくこりゃヒラメや。かなり大きいかも……。
糸10パウンドに直接おんぼろのでも気に入っているジグを付け、
ここに来る際に24時間オープンの韓国系スーパーで買った短冊イカの短冊2つほどつけた餌という、なかなかシンプルってか情けない仕掛けにドカンと来てしまった鮃さん。
おばさん、あなたの気持ちわかりません。いい生き餌でもフンともスンとも言ってくれなかったこの前はなんだったの。
とか思いながら、「これは外せませんで。今日のごはんにしまっせ」と慎重に慎重に桟橋の縁まで寄せていく。
ここで、超初心者のおばさんの網が登場。
彼女の差し出す網の中に何としても旨く鮃を誘導して納めないと、でかいのですっぱ抜くわけにはいかない。案の定、彼女うまくすくえません。確かに足下暗いし、慣れてないのでグラグラする漆喰で重い網持ってふんばるのは、彼女としてはシルクドソレイユ並みのサーカス技に思えるだろう。
でも、そこを何とか、踏ん張っていただく。叱咤激励の指導を私がさせていただく。
もう最後は、右手に竿と魚、左手に網で、自分で入れるしかないかと試みるが、これもうまく入らない。おーし、最後の手段、引き抜くかっと思ったら、
なんか魚が自分で網にすんなり入ってくれた、スーッと。なんてことっ!
ってーことで、格闘の末、今年一番いいサイズ、23インチ強、4.5パウンドの丸々と太った鮃が釣れた。とってもエキサイティングな夜明けまでの3時間でした。