深紅に殻を染めたゆで卵入りの編み込みの甘いパン「ツレーキ(Tsoureki)」です。グリーク・イースターの直前には、この卵とパンがアストリアの至る所に売ってます。もうこればっかり。おばちゃん達は、イースターの直前の木曜日にこのパンを焼くのがお決まりのようです。食べるのはイースターの日で、その前に食べてはいけないんだって。
普段もこのパンは売ってますが、深紅の卵入りは、イースターだけのもの。卵を赤く染めるのは、「キリストの血」を象徴ているとのこと。パンにしちゃ値段が張るな。でも、縁起ものなのでしょーがない。いろいろなサイズや、細長いもの、丸いものなんかがあって、うちの近所のベーカリーは重さで計り売りしてました。
家庭で作る時には、このパンの中に、ギリシャ産ワイルドチェリーの種「makhlepi」と、ギリシャのヒオス島だけに自生する樹木の樹液「マスティック(Mastic)」っていうものを混ぜ込むのが本格的だそうです。
「makhlepi(写真上)」は、1袋50セントでうちの近所のギリシャ食料品店に売ってました。こんなのあるの今まで知らなかったなぁ。教会にお祈りに行く時にも持っていくそうです。お供えするのかな。味は芳ばしく、すっごくチェリーの味がします。いい香りです。朝顔の種ぐらいの大きさで、噛むとプチッとはじけ、口の中にチェリーの味が広がります。かわいい味だなあ。
「マスティック」は、うるし科の「スヒノス」っていう樹木の幹と枝から出る樹脂で、ギリシャ人は5000年以上も前からハーブとして使っているものだそうです。この樹液、歯ぐきにいいらしく、近年このマスティック入りの歯磨き粉が健康グッズとして、ちょっとしたブームになってるみたいです。また、ギリシャ食料品店の、ジャムとかのコーナーに、瓶入りで売ってます。いかにも甘そーなので、今回はちょっと遠慮しましたが、何かの機会に買ってみようと思ってます。
その他、オレンジとレモンのゼスト、ブラック・クミン・シードなんかも入れるとさらに美味しくなるそうです。