今回、母の上京の目的は、ある展覧会に出品した自分の作品を見に行くことでした。「あなたがいなくとも私はがんばっている」ということを見せたかったんでしょうかねぇ。確かにおばあさんなくせにがんばってると思いますよ、お母さん。
母は年に2、3点、皮工芸のパネルを作り、展覧会に出品するんですが、父が寝込んでいた時期はあmりそれができなかった。亡くなってからは、もう自分の作品作りに没頭する毎日となった。大きな展覧会への出展も再開し、今年もなんやかんやとパネルを作って見事入選したんだから、褒めてあげなきゃですね。ここんとこ作った作品は、私との電話や手紙のやりとりでアイデアを得たものになってるってのが母らしい。1つはプエブロというアメリカのニューメキシコに残るインディアンの遺跡がテーマ。娘がニューヨークにいるということで、アメリカには興味があり、いろいろ見たり聞いたり研究しているらしい。タイトルは「遥かプエブロ」ときた。
もう1つの作品にはびっくりしたというか、うれしかったな。なんと私の一番好きな釣り場の風景をパネルにしてしまってたのだった。「終着駅・グリーンポート」。あまりにも美しかった桟橋の朝焼けだったので、その写真をメイルで送ってあげたんだが、それに母も感動して、こうして作品となったらしい。この作品は売らないで私がずっと生涯手元に持っておきたい。
こんな感じで母は今回も東京で娘に自慢げに立派な額に収まった自分の作品を見せ、どの部分で苦労したとか、ここは今度はこうしてみたいとか、いろいろ長々と力説していた。その表情はとてもいきいきしていたな。いつまで経っても母は常に私にエネルギーを与えてくれる。
池袋の芸術劇場で行われた展覧会を母と見た後、お腹が空いたのでお昼をこの辺で食べることに。母が「去年、この近くでとっても美味しいお肉を食べたのでそこに行きたいけど、名前を覚えてない」と私に何となく「探せ」とばかり呟いたのだが、私はてんでこの界隈のことは知らないし。で、ちょっと歩いていたら、「つばめグリル」を発見。私としては東京滞在=つばめグリルの人なので、こりゃやったぁ、という感じであったのだが、そこは娘、母を立てて、「お母さん、どうですか、ここでいいですか」と承諾を促してみたら、「まっ、あんたが行きたいならここでいいわ」ということになりビルに入りエレベーターで食堂街のフロアへ。すると、なんだっ、母が来たかったのはここでした。ここのつばめハンバーグを昨年食べてとっても美味しかったということが判明。いやぁ、親子、好みが一緒だったのね。
母とは一昨年にも一緒に品川のつばめグリルに行っている。父の葬式の日に、私はニューヨークから間に合わず、東京で涙を流しなら食べたお昼ごはんもつばめグリルだった。なんか今回は母と父と私がつばめグリルで重なった気がした。実際には3人で行った事は結局なかったのだが。トマトのファルシー。
評判のロールキャベツも頼んだが、
やはりここはやっぱりハンバーグですね。
父を忍んでの、母とのつばめグリルでした。