「レタスってのは水を吸ってパリッとしてなきゃレタスじゃない」と長年思ってたんです。三つ子の魂百までじゃないけど、5歳の思い出50までなんです。ってのは、幼い頃、幼稚園で、冬、弁当はストーブの上で先生があっためてくれてたんですよ。最近のプラスチックの弁当箱は当時だーれも持ってなかったの。みんなアルミの弁当箱だった。あったかいのはいいんですが、蓋を開けるとお母さんが入れていたレタスが変色してクタクタになってるのを見て、ものすご〜〜〜〜〜く悲しいっていうか、イヤだったんです、あのレタスが。あれ以来、友人なんかは炒飯に入ったレタスがシャキッとして旨いだの、中華のトマトスープにレタスを入れると美味しいわよだのとみんなが教えてくれるんですが、「あら、そうなの」終い。「火を通してうまいんは白菜や。レタスは違うやろ」と心の中で完全無視だったんですが、最近ちょっと変化が出てきたんです。ぐったりレタスを単体で食べると超情けない味だが、何かソースやスープのようなものを足せば、独特の歯応えは悪くないんじゃないかと。味も他のものが一緒なのでなんとかなるし。で、久々にこういうの作ってみたら、なーんだ、ムシャムシャ食べれるじゃーないの。また作ろかという気までおきてきた。50歳にして「さっと火を通したレタスに目覚めた」わけです。やっと子供の頃のトラウマがポロリと落ちた。
ベーコンと葱に焼き目が付くまで炒め、味付けして、最後に、シーザーサラダで残ったロメインレタス(なんでロメインレタスは単体であんまり売ってなく3本で1パックなのよ。多すぎるのよ、うちの所帯には)をさっと入れ、余熱で混ぜ合わせた一品です。ロメインレタス残ったらやってみてください。