水曜日、友人の娘さん2人と「クリントンストリート・ベーカリーにパンケーキを食べに行こう」ということになり、久々にローワーイーストサイドまで行ってきた。最近めっきりこの辺には行かないが、実はアタシ、20年前にサフォークストリートに住んでいたんです。そりゃいろんな意味で面白かったですよ大昔のあの界隈は。あの頃に比べるとまぁすっかり綺麗で安全になって何よりです。と独り言です。
これ、クリントンストリート・ベーカリーの名物パンケーキ。ふわっとしてて確かに美味しいが、これが果たしてNYで一番美味だとしたらNYパンケーキのレベルってものがどの程度のものかハテナだ。みんなが絶賛するまでのことには至らなかったよなぁ。
ひねくれお町おばさんは、みんなのオーダーに反してブリオッシュのフレンチトーストを頼んでしまった。こちらも美味しいのだが、では待ってまでももう一度って味ではないなぁ。ボリュームはどちらも満点で、この後に控えた食べ歩きは断念せざるを得なかったわね。
で、食べ終わってこの界隈を散歩。エセックスマーケットが綺麗にお洒落になっているのにおったまげ(今度探検に出直そう)、
知る人ぞ知る歴史的レストラン「ラトナーズ」の裏口へ。ここはデランシーストリート側のレストラン入り口とは違う秘密の入り口、いや逃げ口と言ったほうがいいかな。いわゆる「スピークイージー(闇酒場)」の出入り口。この店も1920年の禁酒法あたりの時期には、法にそむいて密かにギャングがらみの酒を出してたわけで、警察の手入れが入ると、酒を呑んでた連中がこの裏口から逃げれるようになっていたわけよ。それがそのまま残ってるんです。薄暗い通路を通り抜けると店に繋がる怪しいドアが今も残っている。
まっ、こういうのってニューヨークの飲食業界の文化財だと私は思うんですがね。一時、この通路を抜けたところにバーがあったんだけど、それも今はなし。デランシーストリート側に回ってみると、もうラトナーズはかけらもなく、なんと「スリーピー・マットレス」という布団屋になっちゃってた。それはないだろ。100年ぐらい続いていたレストランなんですよ。映画のフレンチコネクションにも出てくるし、歴代大統領や市長さんもよく通っていたお店だったのに。ショック。かなりへこみました。私の一番のこのラトナーズでの思い出は、生まれて初めてあのどピンク色の「ビーツのスープ」を飲んだことかな。「二度と飲むもんか」と思ったのを覚えている。あれ以来、そう言えばビーツスープ飲んでないなぁ。