朝ごはんの時間。
旦那は、
誰もいないところで、こんな春の海を見ながら、コーヒーとサンドウィッチが食べたかったらしい。
あんたは、トワエモアか。
いやぁ、既製のもんでも、こういうところで食べると旨いねぇ。
で、私は、食事後、そりゃ気になるでしょう。目の前にフィッシングピアがあって、おっさんがバケツと網持って歩いてそっちに行ったんだから。
30分後、おっさんの後をつけて私もピアに……。
誰もいないピアでおじさんポツリ。
「おじさん、おはようございます」。
私は釣り場に行くと、誰とでもあいさつをかわし、喋り、質問をたくさんする。ほぼ100%みんなそれに答えてくれる。
今日も、ポケットに手を突っ込んだまま、おじさんとここの海について30分ほど話した。
「ここは半日(12時間)のうち、潮止まりが4回あるストレンジな場所なんだ。蟹はその時に釣れるんだ」と言ったことが一番興味があった。普通は1日4回、干満潮の時だけなんですが。
夏場にここでさんざん蟹釣りをしていたにもかかわらず、潮が4回止まるとは知らなかった。勉強になった。
おじさんは、この辺に住んでいて、子供の頃からずっとここで蟹釣りをしていたらしい。先週17年降りにここで蟹釣りをしたら、その数の少なさに悲しくなってしまったらしい。こういう釣れなくなった話はあちこちで聞く。確かに……。私も悲しくなった。
話が途切れたところで、おじさんは蟹のトラップを引き揚げた。
ダンジネスクラブだ。
「触ってみてごらん。」「あれっ、おじさん殻が柔らかいよ。」「そうなんだよ。このシーズンは脱皮したてでまだ皮が柔らかいソフトシェルがここで釣れるんだよ。この殻、二週間で堅くなるんだよ。」あらっ、そうだったんだぁ。ソフトシェルクラブって、ブルークロウクラブだけしか見た事なかったので、私にとってはすごい発見であった。
これもソフトシェルだ。これはロッククラブという種類なんだそうだ。
このスープがきわめて旨いらしい。おじさん、きれいに殻取って、うちに持って帰ってすぐ料理できる状態にしていた。
まだ、少し釣りの時期には早い海で、今日2つも発見があった。来てみるもんだな。